「孝四郎。ちょっとこれだけじゃよくわかんないんだけど……なんで美佳ちゃんとアキラちゃんが一緒にいるんだ?」
聖二の件もあるし、少なからずとも二人でなんているきっかけなんてないはずだろう。
それに、もし二人でいたとしたら、一体なんの流れで……。
「僕と美佳が学校帰りに外で会って、家まで来たんだ。そしたらアキラが廊下にいて……アキラの最初の用事は聖二にぃだったみたいなのに、居ないなら美佳でいいって言って……そのまま……」
「アキラちゃんが美佳ちゃんに?」
「そう!なんの用事だと思う?アキラの性格からいったら殴り込み?いや、でも隣から激しい音は聞こえなかったし……」
さすがに暴力みたいなケンカはしないとは思うけど……。
でも、二人の間では聖二のことがあるだけに確かに気になるな。
しかも2時間も音沙汰ないならなおさら。
「孝四郎。ちょっと隣行ってくるよ」
「ぼっ、僕も!」
まさか、なにかあるなんて……思いはしないけど。けど……やっぱりちょっと心配だから。
靴を脱がずにいたおれは、そのまますぐに廊下に出られた。
孝四郎が追っておれのあとをついてくると、二人で美佳ちゃんの家の前に並んで立った。
インターホンに手を掛け、ひとつ息を吸ってから押した。
音が完全に消え、それからすぐに足音が聞こえて来てホッとした。