ハラハラと視線を泳がせながら三那斗を見てると、急に真面目な顔つきにかわって目を奪われる。
真剣な顔をする三那斗は、なにか惹きつけるものがあると前から思ってた。
その目を向けられると、視線を逸らすことなんかかなわなくなってしまう。
「どーすんの」
「ど、どうって……」
「聖二兄。アキラに告られてる。美佳もチハルに同じようなこと言われてんじゃねーの?」
図星をつかれると、ますます言葉が見つからない。
どうして三那斗は普段鈍感っぽいくせに、こういうところだけ勘が働くんだろう。
動物的なものなのかな。
「オレは認めねー。チハルもアキラも」
「……え?」
チハルも〝アキラも〟……?
それって――。
「聖二のことも心配してるんだ……?」
ぽつりと口にすると、三那斗が頬づえしていた手から顔を上げ、目を丸くする。
そして、みるみるうちに顔を赤くして……。
「ちっ、ちげーし!!べべ別に、オレはそういう意味で言ったわけじゃ……!」
「でも、私だけが決めることじゃないから」
昨日、聖二と話をしたことを思い出して自嘲気味にぼやく。
すると今度は三那斗が私を覗きこむようにする。
すごく、心配そうな顔で。
「まさか……本当に……?」
「……わかんない」
「……こんなことでダメになるなんて、オレは許さないからな」
三那斗の言ったこたが、あまりに予想外で拍子抜けした。
こんなふうに自分で考えるのは自惚れっぽくていやだけど。三那斗は私のことを好きだと言ってくれてたから。
だから、聖二とダメになるかもって聞いて、まさかそんな返答が返ってくるなんて想像もしてなくて。
「それが兄弟(オレたち)以外の人間が原因だなんて、ぜってぇヤだ!」
や、やだって言われても……。
まるでわがまま言う子どものような言い方に、思わず呆気に取られた後に、「ふ」と笑いを零してしまう。
三那斗の思考の基準がわかんないけど、でも、やっぱり兄弟なんだな、なんて感じると、こんなときでも微笑ましく感じた。



