それなりに恋愛はしていたわたし。だけど、大恋愛までには至らずに、そのうち冷めては別れての繰り返し。
次第に、イイ男との出会いも少なくなてきて、どうしたものかとため息をついていたところ。

そんな感じで枯渇していた反動なのか、わたしの脳は恋愛モード。

しかもその相手が、初恋と言ってもいいほど小さいころに憧れてたセイジだなんて。
もう運命としか考えられない!


それは本当に、小さかった頃……わたしが4歳になるかならないか。
さすがに当時の全てのことを記憶してるわけじゃないけど。それでも、コウちゃんやセイジのことは憶えてる。


いつでも優しいお兄さんだったコウちゃん。
わたしにはチハルっていう兄がいたにも関わらず、コウちゃんみたいなお兄ちゃんが欲しいって本気で思ってた。

いつでもわたしの話を真剣に聞いて、それに対して優しく答えてくれるコウちゃんは小さいながらに頼れる存在だと感じてた。


――セイジは。


セイジは、コウちゃんとは違う感覚。
いつからか、〝お兄ちゃん〟って感じで見ていなかった。……いや、もしかしたら初めて出会ったときからそうだったのかもしれない。