ただ、ひとつ言えるのは。

ああいう裏表のない女の子って、珍しいということ。
まぁ、まだ学生だから?かもしれないけど、それにしたってわかりやすい。


「そうそう」


ひとり、『うんうん』と頷く。
だって、会った時は小学生か、まぁ上に見ても中学生かと思ったくらいだからね。
外見は中身から出るというか。きっとそれだ。

だけど……。
セイジのことになったら、途端に表情が変わるんだよなぁ。

結局。音楽なんてこれっぽっちも耳になんか入ってやしなくて。
そうこう考えている間に、ドアの向こうのリビングから、カタッと小さな音を拾う。

本当に些細な音なのに、それでも目ざとく気付く自分に正直驚いてる。


……アキラが変なことを言うからだ。