『予定よりもうちょっと、日本にいよーかな』


信じらんねぇ。信じらんねぇっ!!
どーして、そういうことになるんだよ?!


ガシャッと派手に自転車を扱いながら、苛立ちをペダルに向けた。
面談で練習できない今日は、自転車で遠回りしながら家に帰る。


……べつに、チハルが行く先を歩いてると思って、避けるためとかじゃねーし!
ババ抜きで一度も勝てないからとか、そんなことで悔しかったりしねーし!!


グン、と風切っては、雑念を振り払うように、とにかく足を動かして。
それでも、『どうせ家に帰れば、隣にアイツがいるのか』と思うと、無性に腹が立つというか、落ち着かないというか。


ていうか、ひとつ屋根の下で、本当に美佳は無事なのかよ?!
なんかあいつ、妙に慣れてるっつーか、イタリア人だからなのか、女の扱いとかお手のモンみたいなとこ、ありそうじゃねぇか?

美佳も美佳だ! 嫌なら嫌っていえばいーじゃねぇか!
もしかして、嫌だとも思わなくて、楽しく過ごしてるってことか? ……確かに、美佳(あいつ)、兄弟とか羨ましいみたいなことよく思ってるみたいだし、そういう感覚か? もしかして!

おめーがそう思ってたとしても、チハルがそうとは限らねぇっつーの!
美佳のオヤジは、なんでその辺大丈夫なんだよ! オレがオヤジなら、断固拒否するぞ。