古城の姫君

「……」

「……」

 沈黙が流れていきます。このまま永遠に続くのではないか、と思われたそのときでした。

「……ねえ」

 先に口を開いたのは、カンナでした。

「あたしと結婚する気、あるの?」

 いきなりそんなことを言ったので、クロークスは面食らいました。

「え?」

「ないの?」

 ぶしつけな態度です。

 その態度に少したじろぎながら、クロークスは正直に言いました。

「いやぁ、全然ないけど」

「そう。ならあたしもそうよ。親が娘を玉の輿にのせたくて必死なの」