「はぁ…」


見当たらねぇ。


でも俺はぜってぇに柚を見つけるんだ―…。


柚が1番に呼ぶのが俺であってほしい。


他の奴じゃなくて―…俺で。


「…?」


あの小柄で…長いサラサラな髪……。


「ゆ…ず…?」


こっちに走ってくる柚。

街頭の光に照らされてその姿がはっきり見える―…。


「見つけた!」

「捕まえた!」


俺と柚の声が重なる。


「捕まえた!……雪」

「柚…。」


柚も忘れていなかったんだ。

ごめんな、見つけ出してやれなくて。


あの頃の俺に言ってやりたいよ。


“諦めるな。諦めたらそこで柚は離れるぞ”って。


もう俺は2度間違えたくない。

傷つけたくないんだ―…。