ケータイ小説 野いちご

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    • 憧れの先輩
    • 放課後
    • 屋上
    • 壁ドン

    「翔、急に屋上に連れてきて、どうしたの?」

    「お前、クラスの奴に頭触られてたろ。」

    「髪にゴミがついてて、片瀬くんがとってくれたの。」

    「…」

    翔が急に黙ったと思ったら、だんだんと迫ってきて壁に追いやられた。

    ードンッー

    「俺以外の男に勝手に触られてるんじゃねーよ。」

    これって、いわゆる壁ドンってやつ?

    「あれ、翔、耳真っ赤////」

    「こんな恥ずいことするの、お前限定だから////」

    恥ずかしいのか、翔は顔を反対側に背けた。
    でも、自分だけドキドキさせられっぱなしは嫌だから意地悪しちゃおう。

    「ねぇ、翔。」

    「なんだよ。」

    翔がこっちを向いた瞬間に

    ーチュッー

    「してやったり!フフッ!」

    私から翔の頬にキスしたんだ!やっぱり、耳真っ赤になってる!大成功ー!

    「美桜…」

    ーチュッー

    「頬じゃなくて口にするのがキスってもんだろ?」

    「バカッ////」

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    • 先生
    • ハグ

    「初日はいかがでしたか?」
    「はい!結構うまくいきました!」
     
    ノリノリの彼女に日永が眼鏡を押し上げた。

    「……美友さん。ここに座って下さい」

    彼は座った美友にニコと微笑んだ。

    「水道が出しっぱなしだったようですか」
    「ごめんなさい!自動かと思って」
    「電気も同じ理由?」
    「はい……」

    日永は気にしないでと笑ったが、美友はションボリした。

    「そうか、私、失敗だらけだったんですね」

    この彼女を日永はふわと抱きしめた。

    「そんな事ないよ。君はよくやってる」
    「え」
    「背中に髪の毛が付いているから、取るね」
    「は、はい」
    「うん。いい子だ。じっとして……はい、取れた」

    長髪の美友は不思議顔だったが、日永は微笑んだ。

    「君は上出来だったよ。また明日」
    「……はい、頑張ります!」
    「いいんです、君はそのままで」

    こんな日永に送られて笑顔の美友は職員室を出たのだった。

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    • 憧れの先輩
    • 放課後
    • 病院の駐車場

    両親をそれぞれ乗せたパトカーが病院の敷地を出ていく。

    隼人と二人でそれを見送る。

    そして、パトカーが視界から消えてすぐ。
    隼人が私を抱き締める。












    「愛してる」











    たった一言。

    たった一言だったのに……私の頬に涙が伝った。


    誰かの前で涙を見せたのは、初めてかも知れない。

    隼人は泣く私を更に強く強く抱き締める。






    「愛してる。…………愛してやる、俺がお前を一生愛してやる」





    私は堪えきれなくなって隼人を強く抱き締め返した。

    腕の間から、嗚咽が漏れる。





    ――愛してる





    私はきっとずっとその言葉を求めていたんだ。



    ずっと、誰かに愛されたかった。

    たった一人で良かった。
    たった一人で良いから、誰かに “愛してる” とただ抱擁して欲しかった。

    その温もりを求めていた。

    ただそれだけだったんだ。

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