―プルルル…
「はい?」
雪より少し低くて落ち着く声。
「海?」
「柚希…どうかした?」
「いや…」
「じゃなんで電話してきたんだよ?(笑)」
海…やっぱりなにも気づいてないんだ。
「優衣…のこと」
「…」
黙り混む海。
あたしは走っているから息が上がりそうになる。
「…なんかあった?」
「別になんもないよ?」
「優衣…悲しそうな顔してたよ?海…なにしたの?」
「…柚希…」
「海、だめだよ?前にも言ったじゃない…不安にしちゃダメだって…泣かしちゃダメだって」
「…優衣今は?」
「…もう家に帰ったんじゃないかな?」
「そっか…電話するわ。」
「うん、そうして。」
優衣と海がすれ違っているのなら、あたしが合わせる。
2人のお陰であたしは今、こんなに強くなれたんだから―……。

