「ゆーずー!」
「っくそ…いねぇな」
さっきの奴らはそそくさと帰って行ったし……。
―プルル…プルル…
電話?
「もしもし?」
「…ッズ…あ、雪?」
―…泣いてる?
「今日は…先に帰ってて?あたし…もちゃんと帰るから……」
「柚」
「…ん?」
―…約束したよな?
“離れない”って。
その約束を破るのか?
………柚は。
「柚、どこにいる?」
「…」
「柚…」
「言え…ない」
「どうして?」
「……雪には頼らないって決めたから…」
―ブチッ…
それだけ言うと柚は電話を切った。
…頼らない?
なんでだ?
……頼れよ。
柚はなんでも我慢して1人で溜め込む。
それが1番心配だから頼ってほしいのに……
なんでだよ。
「柚っ!」
俺は叫んだ―…。
「……雪都。」
隣で俺を見る海。
「なぁ海……」
「ん?」
「……もうどうしたらいいわけ…?わかんねぇよ」
「雪都…。」
…わりぃな、海。
いっつも心配させちまって。