「海?」

「ん?」

「元気ないよ?」

「俺さぁ…雪都にひでぇ事言ったんだ」

「…海」

「…柚希とうまくいってほしいと思ってる。だけど、柚希を傷つける奴は許せねぇんだ。」



―…柚希が傷つけば優衣だって傷つくだろ?


俺はそれが嫌なんだ。


「ねぇ海」

「…ん?」

「大丈夫だよ。」

「えっ?」

「あたしには海がいる。あの2人は、傷つかないとわからないの。…ひどいけど、親友だからこそ酷い事を言う必要だってあると思うよ?甘やかすのが、いいとは限らない。間違っている道を歩んでるなら、ただしてあげなきゃ。だから海は間違ってないよ…」



俺は優衣を抱き寄せた。



「海…?」

「サンキューな、優衣。」

「いえいえ」


優衣とは喧嘩してばっかで
“本当に付き合ってるの?”

なんて聞かれるのは日常茶飯事。


…付き合ってるよ。


優衣は気が強くてサバサバしている。

だけど………

本当はすっげー弱くて泣き虫。


すっげー可愛くて……


愛しい。



「優衣…」

「海…」


―…俺たちの苦労は、お騒がせな親友たちのお陰で絶えない。

そんな親友が好きでいるんだ俺たちは。


離れる気はしない。

むしろ苦労してでも側で見守ってたいんだ。