―バンッ!


なに!?
誰か来たの…?


ドアの方に顔向けると―…

「柚っ…!」




雪がいた―……。




「雪…都…?」

「…柚…!」



雪都は、あたしの側まで来るとあたしを抱き締めた。


強く、優しく。


突然の行動に目を見開いて固まる。



「柚…口大丈夫か?痛かったろ…?」

「あ…大丈夫…」

「泣いてたくせに」


涙の大半は心の痛みの方だから―……

あまり関係ない?

それでも痛いから泣いた訳だし関係あるか!


って……星川さんは?


「雪都…」

「雪でいいよ、柚。」

「えっ…?」

「柚の癖は抜けねぇもんな!泣くとき未だに“雪”だし、時々“雪”だろ」


……雪って呼んでいいの?
本当に……?


神様。

あたしはこれからなにか罰を受けるんですか?





―…それとも幸せ?