「バカみたい…」


頬を伝う涙。



「あたしってばとことん悪女ね…」


泣くほど好きだった―…。

心から好きだった―…。



叶わない恋だとわかってた―………。


転校してきたあの日、

あたしは雪都に恋をした。
“一目惚れ”をした。


だけど、それと同時にもう失恋したんだ。

隣にいた“柚希ちゃん”を見る目がすごく優しくて、

“好き”って言ってるみたいだった―…。


「あたし、雪都よりいい男の人見つけてあたしを振った事を後悔させてやるんだから」



―…だけど今だけは泣かせてね。





幸せになってよね、雪都。




桜side end