―ドンッ…


「おっはよー!柚希♪」

「おはよ、優衣」

「今日も可愛い!」

「優衣の方が可愛いよ?」

「無自覚はこれだから嫌だよねぇ。」

「え?」

「あ、気にしなくていいよ!」



この元気で明るい子は、

あたしの親友の、

『崎本優衣』

めっちゃ可愛くてモテモテなんだ!



「あれぇ―?今日は一段と王子様機嫌悪いじゃん」

「う…ん…」


オーラが黒い…。

殺気が出てる……。


「どうしたの?高梨」

「別に?どーもしねぇよ。」

「あっそ。まぁーいいや。」


それだけ言うと優衣はあたしを連れて席に座る。

あたしと優衣の席は前後。
あたしの隣は雪都で、

優衣の隣は、

雪都の親友の

『鈴木海』

ってゆーこれまたイケメンの男子。



あたしってば、

イケメンと美少女に縁があるのかなぁ?

こう、イケメンとか美少女がいるとなんだか恥ずかしい気がしてくる。



「おはよ、柚希、優衣」

「おはよー海!」

「…うそくさい笑顔向けなくて結構ですけど?」

「るせぇなぁ。少しは“かっこいー!”とか言えないわけ?」

「言えるわけないじゃんwwバカなの?」

「はぁ!?」


あぁ…。

また始まったよ、2人の喧嘩…。

毎朝喧嘩して飽きないのかなぁ?

なんて思いながら、

ボーッと2人の喧嘩を眺めてた時だった。


「柚。」



―ドキッ…

久しぶりに“柚”って呼ばれた…。


「な、なに?」


これでもドキドキするのを隠して平静を装ったつもりなんだけど……。



「なに噛んでんの?変な柚ーww」


そう言ってあたしの頬を引っ張る。



「いひゃいょ?」

「痛くしてるし」

「ひゃにそれ?」

「…柚見てるとかまいたくなんだよなー。もしかして柚かまちょ?ww」


そう笑って手を離した。

あたしの顔は今すごい赤いと思う。

だって……

雪があたしに微笑んでくれてるから。

そんな笑顔で見るなんて反則だよ。


「ゆーず?」

「ッ////」


今見ちゃだめ。



「可愛いーじゃん、柚」

「ふぇ!?」

「変な返事wwやっぱ柚おもしれぇー」


さっき不機嫌だった雪はどこにいったの?


“可愛い”

って思ってくれたの?

嘘じゃない?


聞きたい事はたくさんあるのに……


やっぱり聞けない…。



……あたしの弱虫………………。