「なぁ桜」

「な…に…?」

「俺行かなきゃ行けねぇんだ。」

「……」


黙り混む桜。

それでも聞いてほしい。


「俺、結構桜好きだよ。」

「…!?」




「でもそれは“友達”として。」




俺は残酷な言葉を桜に言った。



「違うんだ…。桜の“好き”とあいつへの“好き”が…」


柚への“好き”はすっげーどす黒い。

独り占めしたくて、誰にも柚の可愛さを知ってほしくない。


桜への“好き”は一緒にいて楽しいとか友達の中で少し仲良しな奴くらい。





“好き”の重さが違う―……。