強引に桜に連れ出された俺。
「おい…おい!」
繋がれてる手を振り払った。
「なにしてんだよ!」
なんで柚希を殴った?
なんで柚希を―……
傷つけた?
「……あたし雪都が好きなのっ……」
……わかってた。
海に想いを寄せていたと思いたかった……。
だけど俺を見る目が違うんだ。
“友達”
として俺を見てないと思った。
「雪都ぉ……」
抱きつく桜。
―ダメだ。
俺には大切な人がいるだろ?
柚希が―…
柚がいるだろ?
「桜…。わりぃ」
俺は桜を引き離した。
「やだっ!」
―ダメなんだ。
「雪都…」
切なそうに呟く桜。
痛いほどわかるんだ。
人を好きになると切ないくらい痛くなる事も。
人を好きになる―……
すごく幸せで楽しいけど、
苦しくて辛い事もある。