いつものように、刑事、岡崎は
神村が経営する雑貨店へと来ていた

「はい、どうぞ
珈琲のお代わり」

と、この店のオーナー神村が
二杯目の珈琲を岡崎の前に置いた

「いつも、すいませんねぇ
いや、別にね
喫茶店代をケチッてるわけじゃあ
ないんですよ
僕ね、こう見えてエリートなんですよ
実はキャリア組だったりしますんで
給料もそこそこ良いんですよ」

「へぇ、岡崎くん、キャリアなの?」

いくつになっても、好奇心旺盛の
神村が話に食い付く

「そうです
うち、代々みんな、
警察に勤めてんですよ」

と、言いながら
神村の為に買ってきたドーナツを
自分も頬張る岡崎

「もしかして、岡崎くんって
ぼんぼんなの?」

「さあ、どうでしょ
自分ではなんとも思いませんけど
人は僕の置かれた環境を
セレブだと言いますよね」

なんて事ない様子で答える岡崎に
神村はただ、驚くしか出来なかった