赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜

 

コンコン……


小さい、控え目なノックの音。

そして、キサラが返事をする間も無く静かにドアが開く。


薄暗い中、そうして部屋に入って来たのはジュークだった。

滑り込む様に入ってきた彼は、立ち尽くし凝視していたキサラと目が合う。


「っ……」

「……」

奇妙な沈黙。


(どうしてこんな時間にジューク様が……?)

いつもは許可もなくベッドに忍び込んできて、朝には並んで寝ている状態ではあるが、今は城の中に大勢の客もいる。

明日式を挙げるまでは別々に寝ようと、メルリナと三人で約束していた。


……正確には約束させられたのだが……。