赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜

*****

「……………………眠れない」

なかなか寝付けないキサラはしばらくベッドの上でゴロゴロしていたが、どうあっても眠れないため起き上がり窓辺に近付いた。


そっとカーテンを開け、空を見上げる。

煌々《こうこう》と輝く満月は高い位置にある。
もう深夜と言ってもいい時間だ。


結婚式の準備は着々と進んでいき、数日前から遠くから来る招待客達がこの地へ集まりだした。

到着の挨拶をしに来た彼らの反応はまちまちだった。


キサラが村娘だと知って純粋に驚く者。
あからさまに渋い顔をする者。

だが親戚筋の者達は事情をある程度知っているのか、心から祝いの言葉を述《の》べる者もいた。