赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜

だから外に出る事などないと思っていたのだが……。

なのに気配はどんどん城から離れて行く。


(いや、案外すぐに戻ってくるのかも知れない……)

そう思ったが、戻って来る気配は無い。


(いや、第一外に出るなとは誰も言っていない……)

「………………」

ジュークは暫く葛藤《かっとう》を繰り返してから、勢い良く立ち上がった。


ガタンッ

勢いで椅子が倒れたが、ジュークは気にしない。


「あー! クソッ!」

乱暴な言葉を吐きながら、彼は執務室を後にした。