赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜

「十四の頃、周囲に急かされて花嫁を探しにこの城を出た。その頃の俺は何にでも反発していて……だから良家の娘をという周囲の期待にも背《そむ》きたくて田舎の方へ行ったんだ」

もう泣いてはいなかったキサラは、目尻に残る涙を拭い黙って聞いた。


「デリス村に着いたのは、日も落ちかけた夕方だった。あまり目立ちたく無くて人気の無い方へと歩いていくと……お前がいた」

キサラは目を閉じ、自分の記憶と照らし合わせていく。


「そこは墓場で、お前は両親の墓の前で泣いていた」

そう。
確かに、両親が亡くなってすぐは毎日の様に墓の前で泣いていた。