そんな二人だけの空間。

空気が重くならない訳が無い。


それでもジュークはキサラをジッと見つめ続け、キサラはジュークの顔を見ようとはしなかった。



そんな状態のまま馬車は城へと辿り着く。

馬車の中の様子を感じ取ってか、クルスが控えめに声を掛けてきた。


「あの……ジューク様、キサラ様。……その、着きましたが……」

「……」

「……」

声を掛けられても二人は無言。