赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜

「それより貴女どこの人? 身なりからしてそれなりの家お嬢様だと思うけれど」

「えっ? いえ、そんな事はないです。あたし、普通の村娘ですし!」

お嬢様などと言われ、あまりのこそばゆさに慌てた。


今でこそ伯爵の婚約者という立場にあるが、お嬢様などと呼ばれるのは何か違う気がする。


「今はちょっと……。伯爵家にお世話になっているのでこんな良いドレス着てますけれど」

そこまで話すと女性は納得した様子で頷いた。

「ああ。じゃあマクスウェル伯爵に急ぎの用事か何か?」

「えっ? 急ぎっていうわけでは……」