赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜

クルスも焦っているのだろう。

聞こえてくる声が少し裏返っていた。


「あの娘、とは……っ?」

すっとぼけようとしているのだろうが完全に失敗している。


「だから……いや。来ていないのならいい」

だがジュークは追及するつもりは無いらしく、そう言うと何事も無かった様に馬車の中に座った。


クルスがドアを閉める音を聞き、キサラはホッと息をつく。

何にしても見つからずに済んで良かった。


見つかって何をしているのか聞かれても何と答えて良いのか分からない。