赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜

「何だ? まだ準備が出来ていなかったのか?」

「あ、すみませんジューク様。今終わったところです」


ジュークからキサラの姿は全く見えていないらしく、何事もなくジュークは馬車に乗り込んだ。

だが、ドアを閉める前にジュークがクルスに問いかける。


「……おい。もしかして、あの娘がここに来たか?」

「えっ?」



ギクリと、狭い御者台の下で体を強張らせる。

まさか、見られていたのだろうか。