+++ 「かべどんがしてほしいんだったら、彼方にそう言えばいいのに」 「あたしどんな女子よ。てかひむ、あんた壁ドンを『カベドン』とかいうモンスターだと思ってないでしょうね?」 「違うの?」 ぬりかべみたいなもんかと思ってたんだが。 「違うわよ。今度桐にでもやってやったら? わからなかったら彼方にでも訊けばいいし――あ、彼方―」 体育館に入ると、すぐに彼方を見つけた。