若干キレ気味の彼方が窓を開けた。 ついでに窓を叩いていた洗濯棒をてしっと跳ね除けられた。あ、落ちた。 ……植え込みでよかった。あとで拾いに行かねーと。 時刻は夜半過ぎ。 今も勉強中だった証拠に眼鏡をかけているので、俺は左手に載せた盆を見せる。 「夜食と引き換えに一つ話に乗んない?」