会議室に入るとすぐに、 「……桐さん?」 らしき影を部屋の隅に見つけた。……え。 四つ角の一角に、縮こまっているのやっぱり桐さんで―― 「桐さん? どうしたの」 呼びかけると、桐さんははっとしたように振り向いた。 疲れたような顔をしていて、その手には見覚えのあるものが握られている――え? 「氷室くん……」 「桐さん――」 なんで。 何で桐さんがそれを持っている。