……特にさ、誕生日、学年のことでは。 彼方は気にしたようなことは言わないけど。 辛く、淋しく思ってることはわかるから。 だから俺たちは、『彼方』って呼び続ける。 どんな場面だって。 「彼方―、何買っていく?」 「……シチュー? の材料?」 「うん? それは恋理じゃん」 シチューが好物なのは恋理だ。 彼方はガッツリ系の方がすきだから。