朝は振られたって、裏切られたって、同じようにやってくる。



『…はあ。』



憂鬱、だ。



教室前で一つ息を飲みながら、立ち止まっている、あたし。
教室を開ける勇気がない。




知らないんだ。

今まで、告白したこともなかったし、振られたこともなかったから。
振られた相手と初めて顔合わせをする恐怖を、あたしは経験したことがなくて。



あたしに振られた人たちは、いつもこんな気持ちだったの?
あたしを好きだと言ってくれた人たちは、この苦しさを経験していたの?


なんか、今更になって浮き彫りになってくる。
あたしは本当に、何も知らなかったんだ。