「そんなに拗ねないでくださいよ、先生」 笑いながらついて来るこいつが憎い。 「拗ねてない」 「ははは、拗ねてるじゃないですか」 どうせ拗ねてますよ。 そう言えないだけですよ。 美奈実は足を速めた。 「あっ、もう、先生ってば」 それでも追ってくる梶原。 しかしちょっと進んだところで、グイッと腹から体を引っ張られた。 「つかまえた」 背中としっとりとした温もりが伝わる。 どうやら後ろから抱きしめられているらしい。 チュッと右頬に唇が触れた。 「ちょっと! こんなところで……」