駅の通りを抜けて住宅地へと向かう路地に入ると、急に人通りがなくなる。 二人っきり同然の状況に、胸がキリキリした。 いつ梶原が生徒の仮面を取るかわからないからだ。 「はぁ……」 美奈実の口から、またため息が出た。 「さっきからため息ばっかり」 「うるさいわね。教師って疲れるのよ」 色々考えすぎて、頭が重い。 何となく不快に感じてメガネを外すと、梶原はハッとしたようにその手を掴んだ。 「ダメ」 熱いほどに温かい梶原の手。 昨日の情事を思い起こし、全身が震えた。