「どうして?」 彼の答えは、この言葉だった。 美奈実は言葉が返せなかった。 どうして? そんなの、理由があるの? お腹が空くように、眠たくなるように、したくなるものだと思っていた。 理由が聞きたいなら、私達が恋人同士だから、と言えばいい? それとも、もうそんな気持ちすらないの? 私のこと、タダで雇った家政婦のようにしか思ってないの……? そこで美奈実の心の芯は、ポキッと音を立てて折れてしまった。 好きだというだけでは上手くやっていけないのだと、覚悟を決めた瞬間だった。