このまま時が止まってしまえばいい。 そうすれば限りある時間に惑わされることも無い。 釧奈も沙霧も、明るい幸せを手に入れることができる。 それなのにどうしてこんなに、ここはこんなにも。 ――残酷なんだ。 熱で滲む世界が、ゆっくりとおかゆの湯気で白く染まる。 白く、熱く、涙を誘うように。