それはたった一瞬の、のレビュー一覧

平均評価星数 ★★★★★ 5.0
★★★★★
2011/11/01 12:44
投稿者: 櫻いいよ さん
一瞬の、永遠

母を失い、父とふたりで過ごす藍火。 何事もない、平穏な毎日に、突然現れたのはくすんだ空と、4人の男女。 訳が分からないまま見知らぬ土地に連れてこられた彼女。そんな彼女に救いを求める4人。 それぞれの悩み。 それぞれの苦しみ。 それぞれの、思い。 ため込まないで、私がいるから。 1人じゃないから、傍にいるから。 怖がらないで、空はそこにあるから。 4人の思いは悲しいのに、だけどとても美しい。 藍火の真っ直ぐな思いはとてもキレイで、彼女こそが、彼らにとって、一瞬の、だけどとても素敵な日々だったのだろうと。 だからこそ、あの、一瞬が、彼らの希望に繫がったのだろうと。 結末にも心温まり、登場人物みんながとても愛おしく感じました。 頑張らなくていい、ただ少し、踏み込むだけで何かが変わって行くんだろう、そんな勇気をいただきました。 是非、ご一読を。

母を失い、父とふたりで過ごす藍火。
何事もない、平穏な毎日に、突然現れたのはくすんだ空と、4人の男女。

訳が分からないまま見知らぬ土地に連れてこられた彼女。そんな彼女に救いを求める4人。

それぞれの悩み。
それぞれの苦しみ。
それぞれの、思い。

ため込まないで、私がいるから。
1人じゃないから、傍にいるから。
怖がらないで、空はそこにあるから。

4人の思いは悲しいのに、だけどとても美しい。
藍火の真っ直ぐな思いはとてもキレイで、彼女こそが、彼らにとって、一瞬の、だけどとても素敵な日々だったのだろうと。
だからこそ、あの、一瞬が、彼らの希望に繫がったのだろうと。

結末にも心温まり、登場人物みんながとても愛おしく感じました。
頑張らなくていい、ただ少し、踏み込むだけで何かが変わって行くんだろう、そんな勇気をいただきました。

是非、ご一読を。

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★★★★★
2011/10/03 19:34
投稿者: 沖田 円 さん
それはたった一瞬の、

突然の訪問者に導かれ辿り着いたのは、美しい街並みの夢の都「朱天楼」 灰色の空が見下ろすその場所で、 藍火はたった一瞬の、だけど永遠に忘れない、 とても大切な時を過ごした─── 人は誰でも、何かを抱えて生きているもの この作品の世界で生きる人たちは、みんな心に大きな重荷を背負っていたけれど 大なり小なり、その「何かを背負って」生きているという意味では、誰もが彼らと同じなのだと思う。 たったひとりでそれを抱えて、晴れない空をいつまでも仰いで だけどそれではいつまでだって、濁った景色は消えないから みんなで分かち合えばいい 分かち合えないのなら、一緒に傷ついて泣けばいい たったそれだけのことだけど、たったそれだけのことで きっと、誰かの空は、青く晴れる。 灰色の世界で、だけど七色にきらきらと輝くような素敵な作品。 ぜひご一読を。

突然の訪問者に導かれ辿り着いたのは、美しい街並みの夢の都「朱天楼」

灰色の空が見下ろすその場所で、
藍火はたった一瞬の、だけど永遠に忘れない、
とても大切な時を過ごした───


人は誰でも、何かを抱えて生きているもの

この作品の世界で生きる人たちは、みんな心に大きな重荷を背負っていたけれど
大なり小なり、その「何かを背負って」生きているという意味では、誰もが彼らと同じなのだと思う。


たったひとりでそれを抱えて、晴れない空をいつまでも仰いで
だけどそれではいつまでだって、濁った景色は消えないから

みんなで分かち合えばいい
分かち合えないのなら、一緒に傷ついて泣けばいい

たったそれだけのことだけど、たったそれだけのことで
きっと、誰かの空は、青く晴れる。


灰色の世界で、だけど七色にきらきらと輝くような素敵な作品。
ぜひご一読を。

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★★★★★
2011/10/03 07:18
投稿者: 天栞 さん
ネタバレ
青を掴み取れ。

灰色に塗り固められた空の下に広がる、夢の都「朱天楼」へと指し招かれた藍火。

彼女を迎え入れたのは、それぞれが深い傷を負っている―――沙霧、釧奈、柊、よもぎ。

各々から告げられる衝撃の事実が行き着く先はいずれも「青空の代償」…ただ、それだけ。

*****

沙霧と釧奈の自己犠牲を伴った恋路の行く末が涙を誘った。こんなにもお互いを想っているのに、どうして幸せになれないのか。彼の心臓はあと何回鼓動を繰り返すのか。彼女の身体はいつまで負担に耐えきれるのか。そんなことばかり考えて、哀しくて、切なくて。

私はこれが幸せな結末だと、彼らはやっと結ばれたのだと、信じていたい。…それは読者が考えるものだと、彼が言ったから。

*****

ハンカチをぐっしょりと濡らすほど泣き疲れました。一度は読んで欲しい、オススメです。

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★★★★★
2011/07/13 09:08
投稿者: 東雲 葵 さん
ネタバレ
夢の都、朱天楼。

「お迎えにあがりました。」
そんな言葉からスタートする、藍火のショートトリップ。
朱天楼で出会った4人は彼女を「藍火様」と呼び特別扱いをする。

ここで藍火に与えられた役割とは…?

◆◇◆

個人的に一番心に残ったのは『人との関わり方』。他人、知人、友達…関係を表す言葉で『友達』以上に親しいものは無い、と私も藍火同様に思っていた。

しかし4人はそれにNoを突き付ける。

一歩を踏み出す勇気。
藍火の出した答えが爽快だった。澄み渡る、青空のように。

希望、絶望…全てが詰め込まれた別世界なのに、それが完全に現実とリンクしている。ムダが無い。なんて世界観!色彩感覚も見事で、脱帽です。

読後、大切な人に
無性に会いたくなりました。

『作品は、作者と読者の両方が創り出すものなんだ。』(作中より)

一緒に、一瞬の夢を旅しましょう!

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