翌朝、眠い目をこすって起きてくると、もうよもぎちゃんが着物の襟を正して待っていた。 「おはようございます」 寸分の隙も無い姿に驚く。 え、だってまだ朝の7時…。 「ご、ごめんっ。すぐ用意するから!」 「大丈夫ですよ、私もまだすることがありますので」 クセ一つない黒髪を揺らして微笑む様子に、くらっとくる。 完璧で、女の子らしくて、家庭的。 こういうのを大和撫子って言うんだろうなぁ…。 でもここは日本じゃないかもしれないから大和撫子とは言わないのかな。