次の瞬間―― 大きな手がわたしの頭を抱えるように胸に抱き寄せた。 そうして、大切なものを守るように両腕で包み込む。 へ…? だ、抱き締められている? 「真琴、ありがとう」 ―――低い声がそうささやいた。