当てもなくフラフラと街を歩いていると、交差点に差し掛かった。 僕は、その先頭でひとり、ぼーっと立っていた。 信号が赤から青に変わる。 一斉にたくさんの人が歩き出す。 僕も歩いた。 たくさんの人の中、向かい側の道へ渡るために。 たくさんの人がいすぎて、すれ違う人の顔なんて一々見ていられない。