【短編集】闇に潜む影



「それじゃあ、また明日学校でね」


「うん、明日ね」


そう言って別れた帰り道。


僕は彼女を彼女の家まで送った。


そして、彼女が家の中に入るまで、その場で彼女を見送った。


僕の心は温かくて、幸せであふれていて。


次誘う時、何の映画を見ようか、


いや、次は映画はやめて、ショッピングでもしようか。


一人で歩く帰り道が、こんなに楽しいなんて。










彼女は運命の人。


僕のすべてを変えた、運命の人。


彼女は、僕の“すべて”だ。







「楽しかったよ。ありがとう。また誘うね」


彼女に送った初めてのメールを打つだけで、


僕は1時間悩んだ。


悩んだ末のメールの内容はシンプルだけど、


シンプルだからこそ、伝わる何かがあると思った。


僕の幸せな気分は、あまりに溢れすぎていて。


今もし誰か不幸な気分を味わっているのであれば、


少しくらい分けてあげたって良い。