【短編集】闇に潜む影



そして、日曜日。


いよいよデートの日だった。


僕はすべて新品の服に身を纏い、待ち合わせ場所に急いだ。


僕が着いた頃には、未だ彼女は来ていなかったけど、


待ち合わせの20分前だ、それは当たり前。


彼女を待つ20分間は、それはそれはドキドキして楽しかった。


待つって、こんなにわくわくするものだっけ。


そんなことを考えながら、僕は彼女を待っていると。


「ごめんね、遅れて」


小走りで向かってくる彼女の姿が見えた。


それだけで、僕の顔は緩みそうになる。


5分遅刻して謝る彼女は、いつもと違った雰囲気で、これまた可愛かった。


僕は、はやる気持ちを抑えながら、彼女の隣に立って、映画館へと向かった。