そこで、僕は思いついた。
違うクラスの彼女と過ごせる時間。
それは、放課後。
だから、下校時間、
偶然居合わせたふりをして昇降口で彼女を待ち伏せしてみた。
彼女の姿が見えた。
高鳴る心臓。
赤くなる顔。
僕は深呼吸をして、何とかそれらを押さえつける。
そして、精一杯の勇気を振り絞って、
一緒に帰ろうと誘ったら、綺麗な笑顔で、「うん」と言ってくれた。
僕の胸はそれだけで一杯になった。
彼女の柔らかい、楽しそうな笑い声。
僕の耳に幸せをもたらすその笑い声を、ずっと聞いていたいと思った。
僕の話を聞いて、隣で本当に楽しそうに笑ってくれる。
距離が、きっと縮まったから。
たった15分の道のりが、
こんなに幸せで楽しいなんて、思いもしなかった。


