それから、僕は彼女に少しずつだけど、
挨拶するたびに、言葉を増やすようにした。
「おはよう」だけじゃなくて。
「良い天気だね」とか、「宿題やった?」とか。
その一言一言に答えてくれる、そんな彼女が愛おしい。
一つ一つの仕草。
くるくる変わる表情。
ずっと見ていても、全然飽きない。
僕の頭の中は、彼女のことで一杯になっていた。
今、彼女は何を考えているのだろう。
今、彼女は何をしているのだろう。
朝、目が覚めても、昼ご飯を食べていても、夜風呂に入っている時も。
彼女の笑顔を思い出しては、
僕はこぼれそうになる笑みをこらえるのに必死になっていた。