【短編集】闇に潜む影






「泣いても、良いんだよ」






彼はそう言って、私の右手を包み込むように握った。







涙は、止まらなかった。


私は、泣いて、泣いて、泣き続けた。


この10年間、溜め続けた涙を、流すかのように。