【短編集】闇に潜む影



「は?私、泣いてなんかないから。現に笑ってるし」


眉をひそめて、彼を睨みつけた。


「じゃあ、なんで君はそんなに苦しそうで悲しそうな顔をしているの?」


「だから、そんなんじゃ「ウソの笑顔なんて、見せなくても良いんだよ」





ウソの笑顔。


その言葉に、私の頭は真っ白になった。





「・・・どうして・・・?」


声が、体が、震えていた。


そして、自分の頬に温かく濡れた感触があった。


おそるおそる、指で確認する。


それは、涙だった。


それに気が付いた瞬間、


ぼろぼろと、気が付けば涙が二つの目から流れるように零れ落ちてきていた。


「・・・笑うしか、ないんだよ。笑うしか、できなかったんだよ・・・」


語尾は、声が震えるせいで、正確に言うことが出来なかった。


いつの間にか、私は泣いていた。


大声を出して、子供の様に、泣きじゃくっていた。