ここに運ばれて入院して、 それをきっかけに母親が逮捕されて、私は今いる孤児院に引き取られた。 空を見上げると、 夕日を背にする病院は、他の建物よりひときわ大きく見えた。 赤く染まる空が、私を誘う。 吸い込む様に、近くにおいで、と。 「・・・ここが・・・始まりの場所」 そうだ。 今の私が始まったすべては、ここだった。 それならば、終止符を打つのも、ここが最適の場所かもしれない。 そう思うと、私の体は自然に病院の中へ吸い込まれるように入っていった。