ある日、学校を出ると、学校の門の前で見知らぬ数人がウロウロしていて、
独りで校門を出てきた私に話しかけてきた。
「△△くんて知っているかな?」
そういえば、この学校の生徒が事件を起こしたとか噂を聞いたけど、
私は特に興味がなかった。
他人の不幸に興味を持てるほど、私の心に余裕はない。
今日をどのように乗り越えるか、それだけで私のキャパシティは限界だった。
それに、見たこともない先輩らしいから、尚更だ。
話しかけてくる人を無視して、
その人たちを撒くために、いつもは通らない路地へ入った。
少し遠回りだけど、歩けばいつもの通学路へ着く。
ひたすら歩き続けていると、私は、ある建物の前を通りかかった。
足を止め、建物を見上げる。
「・・・」
それは、昔入院した病院だった。
まだ母親と暮らしていた頃、大けがをして運ばれた病院だ。


