エンプティープリンス

「まぁ…まだお仕事なさっている時間だものね…。
いつ頃帰ってくるかは分かる?」

「…帰ってこないよ。」

「え…?」

「とりあえず母親はもういないし、父親はここには戻ってこない。
だから…この家にいるのは俺だけ。」


いつの間にか敬語がとれている俺。
でも、そんなことは気にも止めていない相模香織。


「そう…なの…。
じゃあご飯は…?」

「いつも適当。」

「それじゃ…風邪もひくわね。
少し何か…食べれそうかしら?」

「え…?」

「食べなくちゃ治るものも治らないわ。
あと、体温計はある?」

「あ…一応。」

「じゃあ体温測ってね。きっとかなり高いでしょうけど…。
食べたいものは何かある…?」

「いや…先生…俺、一人で平気だから…。」

「そんなはずないわ。」

「え?」