いまだに、信じられないの。 私の心臓の音は他の人と違って不規則で、雑音が含まれていること。 受け入れてはいるんだけど、信じたくない。 ――直人を想う時さえも、私の心臓は汚い音を立ててるの? 「…うん。変わりはないね。」 『……。』 そう言うお医者さんは、私の目を見ようとしない。 ただデスクに体を向け、カルテに筆を滑らせる。 …皮肉なことに、それだけで私は、お医者さんの“本当の気持ち”がわかってしまった。