――トクン、トクン 「……うん。次は背中を見せてね。」 私はその質問に小さく頷き、クルリと椅子に座ったまま半回転する。 外は雨が凄い強さで降ってるはずなのに、その音さえ聞こえない。 辺りはシンと、空気が震えるような音だけが響き渡っていた。 …なんか、喉が乾くな。 空気が乾いていて、水が恋しい。 「…OK。 もう一回前を向いてくれる?」