「俺、会議が終わった事を顧問に知らせなきゃだから。 唯も遅くならないうちに帰れよ」 「あ、はい」 先輩もこれ以上その話題をするつもりはないみたいで。 プリントをまとめて教室を出た先輩が、ドアに鍵をかける。 それから「1年間よろしく」って微笑む先輩に笑顔を返して、その背中を見送った。 ……広い背中。 思わず抱きつきたくなる衝動を抑えながら、先輩の背中をずっと見てた。 “好き” 声にはしちゃいけない気持ちが、身体の中を暴れまわる。